はるか以前にある国のある地域を旅し「日本人宿」と呼ばれる日本人が多く宿泊するゲストハウスに泊まった時だった。
今もその文化があるかどうかわからないですが、ネットは普及していましたし「地球の歩き方」もありましたが日本人宿には「情報ノート」というものがおいてあった。
宿泊客が情報や何か思い等を書いて共有するノートです。
主に安く快適に旅行をする情報や次なる日本人宿(そこの経営者の人となり)・リアルな物価。隠れた名所などが主だった気がする。
情報収集の場所で情報収集の為だけに宿泊する人もいた。他の日本人と触れ合う為に泊まる人が多かったですが。
これから向かう地域についての情報行ってきた人から聞く事もあれば、バックパッカーが記した「情報ノート」から情報を収集する事もあった。
何カ国も年単位で旅をするバックパッカーは「地球の歩き方」は荷物になり高額に感じたためスマホが無い時代はそうやって旅してきた。
雑談も多く記載してあり「メルボルン事件」を情報ノートで初めて知り異国にいる自分に若干の恐怖を感じたりと情報ノートには雑談や日記の変わりにもなっていた。
私の様に暇つぶしで読んだり書いたりするにもスマホの無い時代でしたのでうまく活用出来ていました。
そこにこんな雑文が記載されてた。「若い時にパリに行った人は生涯パリにとりつかれるだろう」といった内容だった。
私も2昔前に短期間滞在しましたが、興奮しました。
セーヌ川・ルーブル・エッフェルとわかりやすいんですよね。残念ながら子供の頃から知っている場所を確認するような滞在以上のものにはなりませんでした。よくわからない場所もほっつき歩いたものです。
公園で人生を楽しんでいる住民やさりげなくイチャイチャする高齢者。高い建物の窓から外を見る女性。本屋に並んでいた日本の漫画。
個人的には印象的でしたが「情報ノート」に書いてあるようにパリにとりつかれる事も行動力も残念ながらなかったです。
気恥ずかしい様な思いもありますがパリには月並みですが憧れがあるようです。
ある作家の父が「ついにパリは見れなかった」と生前話したという文も読んだ事がある。
ロンドンでもローマでもバルセロナでもハワイでもなく、典型的庶民の日本人の私にはパリには特別な感情があるような気がする。
午前4時にパリの夜は明ける
午前4時にパリの夜は明ける
「ダンサー・イン・パリ」「パリ・タクシー」「すべてがうまくいきますように」等のパリが舞台の映画を紹介してきました。
未紹介ですが「ぼくは君たちを憎まない事にした」なんかも良かったですし「ウィ・シェフ」「ノートルダム・炎の大聖堂」「私の大嫌いな弟へ」「Winter boy」をこの一年で鑑賞しています。他にもあったような。
古くは「ミッドナイト・イン・パリ」なんかもパリの魅力がつまった映画ですね。
家族と家出少女の7年の物語。人生の変化。乗り越える出来事。大人になる課程をパリの街と設定である本物の1980年代のパリの映像を時々挟んで進行していく物語です。
シャルロット・ゲンズブールも50代。繊細で気丈な雰囲気は10代の頃から残しつついい年齢の取り方をされている女優でした。
もしも時系列も無視して行けるとしたら1960年代頃の混沌とした香港を見たい。
1960年代のニューヨークの蒸気が出る町並みも歩いてみたい。どれも映画の影響です。
パリは情報ノートに記した名も知らず合った事も無い旅人が何故あのような文を書いたのか理解したいという体験が夢の場所として記憶にあるような気がします。
フランス(パリ)映画に見る体験は追体験。
「午前4時にパリの夜は明ける」はパリの情感のつまった映画でした。