私の友人に「【俺は好きだけど】とか言わない」と言う美学がある人がいる。
それは凡人が「肌感」「好みだけど」等と言った前置きなく「誰が見ても」面白いというものしか「面白い」と言わないようにしているというある種屈折した意味を含んでいる。
例えば友人の場合「バック・トゥ・ザ・フィーチャー」は面白いけど「バクダッド・カフェ」は語るべきでは無いという縛りがあるという事にもなる。
私自信は自分が面白いと思ったものは躊躇なく面白いといいますが相手は選ぶかな。
昨年年末某都市のバーでの友人・バーのマスター二人が「面白い。見た事無いのかよ?」と驚いていたので早速鑑賞しました。
8日目の蝉
最近鑑賞。面白かったです。2010~12年頃の映画ってぼっこり抜けているんですよね。
しかし永作博美演じる女性が森口瑤子を演じる海の母の苦悩を想像できなったのだろうか。
「母性」とは社会通念を見失うものなのか。
それでも永作博美が良かった。
これが「日野OL放火殺人事件」にヒントをえて作られた作品だった事を知る。
ドロドロとした事件にヒントを得てしまう原作者は女性ならでは。
作品には憎しみでは無く「母性」「愛」の物語。
彼女はパラレルな世界に身を置きたかったのではないか?
彼女は「なれなかった自分」になりたかったのではないか。
そしてぬすまれた側の主演井上真央の旅は自分と彼女と両親と育ての母親への「ゆるし」への旅になっていく。
四国の風景がよく似合っていた。
友人の目利きは豪語するだけあって正確だった。
圧倒的な誰が見てもいい映画です。