あまり期待をしていなかった事もあったが結果的に圧巻だった。
セドリック・クラピッシュ監督の作品は「スパニッシュ・アパートメント」(2002年)しか見ていなかったがスタイリッシュなバルセロナの青春群像劇であることしか記憶になかった。
ダンサーイン Paris
主演のマリオン・パルボーが監督の意向でダンスが出来る俳優でなく演技が出来るダンサーを起用した事が作品に迫力と本物のフィジカル・躍動感をリアリティがあるものにしているのだろう。調べると彼女は実際にパリ・オペラ座のバレエ団に所属しているという。
エリーズは26歳。クラシックバレエで捻挫をしてからコンテンポラリーダンスに転向するまでの心の変化を丁寧に描いた本作。
父親に若いときにしか出来ないダンサーという生き方を続けるとセカンドキャリアで苦労すると真っ当な事を言われると
「第一の人生が終わっていない」
と話す。
しかし彼女は自身の捻挫癖・20歳後半・長期の足の静養を医者に宣告された事実。実際の捻挫生活。
彼女は弱気になり葛藤する日々が続く。
ストリートでのヒップホップのバトルの出会い
芸術をこよなく愛す女性オーナーの元でもアルバイト
ダンサーは頭で無く心で自分の生き方や居場所を選んでいく。
コンテンポラリーダンスをはじめた彼女。
劇中「演技が出来るダンサー」はただ者でなかった事を改めて確認することになる。
ラストの圧巻のコンテンポラリーダンスシーン。
彼女の表情とフィジカルが魂を解放される。
年始に「R・R・R」が爆発的にヒットし特にダンスシーンが話題を呼んだがこの映画のダンスシーンにも可能性が秘められているよう思える。
体を整え思いっきり使いたくなるるような魂を揺さぶる青春を描いた芸術映画でした。
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
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