リバー・フェニックスを探して

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こわれゆく女

メンタルの不調は時として周囲をまきこむ。

この物語の妻の行動に反応する夫や親の対応が女を「こわれゆく女」たらしめている様に思う。

「それは彼女が可愛そうだよ!」と突っ込みたくなるシーン多数。

ジーナローランズとカサベデスの夫婦ダックの代表作。

 

 

私はこの女性は一時的な奇行や世間の一般通念を少し逸脱したけども、本質的にはこわれていない様に見えた。

メンタルの不調や精神的な病気では無く一時的に安定しない女性程度に思えたからだ。

70年代〜90年代若い母親が育児や子育てのストレスや孤独で一種のノイローゼになる家庭なんて実はよくある事だと思う。

私の子供時代には機能不全家族(今思うと)が何人かいた。私の家庭もその様な時代があった。実に身近だった。温かい家庭もありましたけど。

だからこそ身震いする程怖いシーンがある。

 

同じカサベデス監督ローランズ主演映画でも「オープニングナイト」の彼女の方が狂気だったように見える。

本題は日本語に治すと「影響を受けた女」とでもいうべきか。

 

ローランズは天才的な迫力で演じ、カサベデスは低予算作品を量産する。

それにしても「こわれゆく」とは当時の邦題を作る方はよく表現したと思う。

彼女の背景はともかく作品の焦点はローランズの熱演なのだから。